第60章 今の気持ち*緑間
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「高尾。」
呼び出された場所に行くと、先に高尾がいた。
「真ちゃん………ごめんっ!」
「!?」
いきなり謝られて、ビクリとしてしまう。
「オレ、優ちゃんに取り返しのつかねぇことしちゃったと思う。しかもそのせいで真ちゃんも…部活も……オレのせいで……」
「謝るのは俺の方だ。」
「!?」
びっくりした高尾は俯いていた顔を上げた。
俺は全てを話した。
あの高尾のキスの後、俺もキスしてしまったこと。
茶倉の家に行った時のこと。
「確かにお前のせいでもあるかもしれないが、俺のせいでもあるのだよ。」
「…そっか。」
そうつぶやいた高尾の顔は、どこか安心したような、だがやはり罪悪感が残るような……
複雑な笑顔を浮かべた。