第53章 恋心に染められて。*高尾
(そいつらに勝てんのかよ……?)
優ちゃんの周りの男は全員スペックが高い。
そいつらから好かれている。
誰かの思いを受け入れることだってあるはずだ。
……いや、優ちゃんが誰かを好きになる可能性だって、すでに好きな可能性だってある。
考えれば考えるほど、頭がモヤモヤした。
(……でも、オレはオレなんだ。)
そう、どんだけ誰かについて考えても、オレはオレ。
変わることなどできない。
じゃあ、どうするか?
(オレも伝えるか。)
言葉にして伝える。
そう決意した瞬間、頭がスッキリしてきた。
(オレは優ちゃんが好きだ。…この思いで負けるつもりはねぇぜ?)
恋心に染められていく。