"元"は夢を追いかける【HUNTER×HUNTER】
第2章 1章-夢は夢のまま
「大丈夫かい?無理はしない方がいいと思うけど♦︎」
『そう思うなら逃がしてくれませんかね?』
「それはできない相談だねぇ❤︎」
にんまりと笑ったヒソカさんは私の腕をぐいっとひきゴムのような何かで私を縛った
これじゃあ逃げようにも逃げられないじゃない
「じゃ、オレはちゃんと仕事したから入金よろしくね」
「また、なにかあったときは頼むよ♣︎」
暗くなった店にカランっとドアの開閉音が響く
これで店内には私達は2人だけになった
「さぁ、ボクの質問に正直に答えてね❤︎」
『先に貴方にとっての利益を教えてくださいよ』
「ダーメ❤︎それはが"大人しく"捕まってくれたらの話でしょ♠︎」
どっから取り出したのかわからないトランプをこっちに向けて投げた
念のこもったそれは私をギリギリでよけ後ろの壁に突き刺さってる
"答えないと殺す"
ヒソカさんのその行動に間接的だけどそう言われてる気がした
「正直に答えてくれたら痛い事はしない」
『……はぁ。質問に答えたら逃がしてくださいね』
「もちろん♥︎︎」
私のことをどこまで知ってるかは分からないけど、元旅団員だってことは確実に知られてる
もうそれだけで嫌な気しかしないけどやっとこっちに馴染んできたのにこの2年半を棒に振るなんてできない
「じゃあ、質問♣︎クロロが君を待ってる理由って何?」
『私を待ってる?そんなことはないはずですけど』
「クロロはずっと君のことを待ってるよ♦︎」
なぜ?どうしてまってるわけ?
あの時クロロは私が旅団を抜けるのを了承してくれたはずなのにそれを待つのはおかしい
理由なんて私が聞きたい
『わからない。』
トランプが私の動脈に軽く触れた
脅されてもわからないものはわからないから仕方がないじゃないか
相変わらずの笑顔が私に近寄り再び質問をする
「君は元旅団員のだよね?番号は?」
『番号は8。ほら、死んだ団員の片割れですよ』
「片割れ?」
『聞いてないんですか?』
"私には双子の姉がいたんです"
そう言えばヒソカさんは、まるで面白いことを聞いたと言わんばかりににんまりと笑った