第3章 理解され
一際強い風があたし達の間を通った。
秋も通り過ぎて、冬が来ようとしているんだろうか?
身を縮こまらせたあたしの肩に、何かの重さと、ぬくもり。
岩本さんがまた、上着をあたしにかけてくださった。
「いいですってば。」
「うるせえ。着てろ。」
岩本さんらしくない投げやりな言い方に驚いて、あたしは仕方なく上着に袖を通した。
はぁーっ!
一段と大きいため息をついたのは岩本さん。
その横顔を見ると、険しい表情をしていた。
「俺はさ、高野ちゃんと一緒にいると楽しいんだよね。」
目が合って、少し寂しそうな笑顔。
胸が痛くなった。