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【黒子のバスケ】瞳の奥の真実

第12章 インターハイと誕生日2*



そう言われると桜っちがそっと俺の背中を押してくれた。

あーなんだろう。ヤッバ…体の奥から力が湧いてくるのがわかる。さっきまで背中に添えられた桜っちの手から熱と気持ちが伝わってきた。

絶対勝つから待ってて。

そう心に決めると俺を信じてくれている先輩達の背中を追ってコートに入った。


第3Q終盤…黄瀬君の様子が変わった。
とうとう青峰君のプレイスタイルをコピーできたんだ…
私は確信した。それからは黄瀬君と青峰君の点取り合戦が始まるが、黄瀬君が点を取っても点差は縮まらない。

第4Qが始まってからも流れは変わらなかった…

そして…98対110で私達海常は敗れた。

黄瀬君が泣いてる。先輩達も…やっぱ皆にはそんな顔似合わないよ…


ーー

「この借りは冬返せ。」

ーー

笠松先輩がそう言ってた。そうだまだ冬がある、必ず皆の笑顔が見たい。東京に戻ったら新しい練習メニューを考えないと…

そして私達はインターハイを後にした。
東京行きの新幹線の中。


「桜っち…ごめんね。嬉し泣きさせてあげられなかったっスね。」

「ううん嬉し泣きは…とっとくよ。帰ったら新しい練習メニューを始めたいと思うから覚悟しておいてね。」

「神白は、切り替え早いな!!」

「本当だな。俺はまだ練習の事考えられないぜ。」

私の声が聞こえたのか小堀先輩と森山先輩に話かけられる。

「何言ってるんですか?笠松先輩が言ってたじゃないですか。借りは冬返せって…」

「桜っち…」

「うちには頼もしいマネージャー兼コーチがいるな!冬が楽しみだ!」

「神白…ウィンターカップ優勝したら俺とデートしてくれ!!」

「えっ!!!」

「何いってるんスかー!!?森山先輩!!桜っちはダメっスよ!!」


フフ。少しは皆元気になったかな?
この試合で学んだ事や気づいた事が沢山あった…キセキの世代の予想以上の強さ。仲間を信じれる強さ。黄瀬君はまた一歩強くなった。

そして…インターハイが終わった今。
そんな彼を好きになってしまった事とも…

「桜っち…冬は絶対勝つっスよ!」

「うん…」


こうして複雑な気持ちを抱えたまま
私達の夏は幕を閉じた。






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