第11章 インターハイと誕生日1*
黄瀬side
はぁ…なんでこんな風になっちゃったんだろう。
ーー
「アシスタントコーチだから大事なの?」
ーー
桜っちは、そう言ってたけど…そうゆう事じゃない。桜っちが大事なんスよ?
そう考えていたら俺の携帯の着信音が鳴る
画面には、まりなさんの表示。
「もしもし?」
『もしもーし!キセくん!まりなだけど!」
「珍しいっスね?どうしたんスか?」
『ねぇ!桜は?元気にしてる?夏休み入ってから全然連絡来ないし…してもほとんど返してくれないんだよ!』
「桜っちなら元気っスよ。」
『なら良かった〜!今日誕生日おめでとうメール送ったのに!ありがとうって一言だけだよ!おめでたいのにさ!』
「えっ!!?桜っち誕生日なんスか?」
『はぁ?知らなかったの!?あんた自分の誕生日に桜からクッキー貰ったんでしょ?おめでとうの一言くらい返してあげなさいよ!』
「なんスか??クッキーって?」
…
そして俺はまりなさんから話を聞いて電話を切った。
俺の誕生日…桜っちは、家庭科の授業でクッキーを作ってくれてた。でもそれを貰ってない…なんでくれなかったの?スゲー欲しかった。
とりあえず俺は、ホテルを出た。22時を過ぎてるもうケーキ屋はやってない…コンビニがあるのを見つけるとひとつだけあったショートケーキを買って急いでホテルに戻る。桜っちが起きてるかなんてわからないけど部屋に向かった。
階段を上ると踊り場があり小さなテーブルと椅子が置いてある。ふとそこに人影を見つけた。少し暗くて見えずらかったけど…すぐにわかった。
「桜っち?」