第10章 大事な存在*
黄瀬side
「黒子っちー俺も飲み物ないっスよー!」
「黄瀬君…アホですか?」
「なんスか!?ーいきなり!」
「神白さんは、一人になりたくてわざと席を立ったんですよ。」
「えっ…なんで?」
「それは、僕にもわかりません。火神君…何か知らないんですか?」
「俺はなんも聞いてねぇ。まともに三年会ってなかったからな。でもその間にあいつに何かが、あったんじゃねーか?久々に会った時…一瞬あいつかどうかわかんなかった、顔は変わってねぇーけど目つきとか表情とか全然違ぇ。」
この三年って言ったら…桜っちの中学三年間の間って事になる。そうなるとまりなさんなら何か知ってるかもしれないっすね。
「神白さんは…心から笑えないんじゃないですか?さっきから笑ったりしてましたが、本当の笑顔じゃない気がします。」
「そんな事ないっスよ!!俺最近桜っちの笑顔をよく見るけどスゲー良い笑顔してるっスよ…」
「それは黄瀬君だからですよ。少なからず神白さんは、黄瀬君に心を開いてると思います。でもきっとまだ何かあるはずです。神白さんの心には…」
「今あいつの心を開かせられそうなのは…俺は一人しか知らねぇ?」
「それって…誰っスか?」
「あいつと俺の兄貴…辰也だ。」
「そのタツヤって奴と桜っちは、どんな関係だっんスか?」
「辰也は…あいつの事をスゲー可愛いがってた、過保護すぎだろうと思うくらい大事にしてた、桜も、いつも辰也にくっついてたし、桜が日本に戻ってからもちょくちょくアメリカに来ては、一言目には辰也は?って聞いてくるくれぇだったからな。」
わかってた…桜っちにとってタツヤって奴が特別な存在だって…でもこうやって聞かされると結構ダメージが大きいっスね…