第6章 久々の再会*
負けた瞬間。
黄瀬君が泣いているのを見た…悔しかったんだ。 何か言葉をかけてあげたかったけど、今は何も言えない。中途半端な言葉は相手を傷つける。
練習試合が終わった帰り道。私は黄瀬君と公園のベンチに座っていた。隣にはバスケができるコートがあるんだけど、変な人達がコートを占領し始めて暴力まで振りそうになってる。止めないと。
「黄瀬君…少し待ってて!」
「ちょっ!桜っち?!どこ行くの!?」
私は思わずコートの中に入って暴力をしている人達に向かっていた。
「ちょっと!暴力はだめ!」
「そうですよ。どう見ても卑怯です。そんなバスケはないと思います!何より暴力はだめです!」
えっ??私の後ろから声が聞こえてきたと思ったらそこにいたのは…さっき試合をしたばかりの黒子君がいた。
コートの外には大我もいる。
「あー!もう!仕方ないッスね!じゃあバスケで勝負して俺達が勝ったらここどいてもらうって事で良いんじゃないんスか?」
黄瀬君の提案でバスケの試合をする事になった。
「とゆー事で、桜っちは外で見てて。これは男の勝負だから。すぐ終わらせるッス。」
「うん。わかった。」
あっという間に決着がついてしまったのは、言うまでもない。黄瀬君、黒子君、大我。3人でバスケをしてる姿は凄く楽しそうだった。きっとこんな光景もなかなか見れないだろうし…なんか贅沢だなぁ。
「三人共。お疲れさま!さすがでした!」
「ありがとうございます。神白さん」
「んじゃあ。俺たちはそろそろ行こうか桜っち!最後に黒子っちとプレーできたしね!あと火神っちにも、リベンジ忘れてねぇッスよ!予選で負けんなよ!!」