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【黒子のバスケ】瞳の奥の真実

第14章 一生親友*



話しだしたら止まらなくなっていた。澪を失った時の悲しさとか、苦しさとか、一番辛かったのは、澪なのに…私が殺してしまった…そうずっと思ってきた。今だってその気持ちは、変わらない。まりなは、そんな私の話しを隣で泣くのをこらえて聞いてくれていた。


「私は、澪の人生を奪った…だから私が幸せになっちゃいけない、そう言い聞かせてきた。そう思う事で澪がいない現実から逃げて償う事で自分を許した気になってた。死んだのが澪じゃなくて私だったら良かったのにって、何度も思った。でもまりなや、黄瀬君、バスケ部の皆が私を大事にしてくれて必要としてくれて、嬉しくて、それに甘えて…また澪から逃げてた。」

これだけ話しても澪への気持ちは、溢れ出てくる。でも…澪は、もういない。こんなに悲しくて辛いのに涙は、やっぱり出てこない…


「桜…大丈夫?」

「まりなこそ、目が赤くなってるよ?」

「泣くなっていうほうが難しい…なんで桜は、泣かなくなっちゃったの?」

「わかんらない…や。」

澪がいなくなってからだ、泣かなくなったのは…泣きたい時もある。でもそれを私が許さない。あの時以上に悲しい事もないし泣いたら澪を裏切ってしまう気がしていた。

「桜?泣きたい時は、泣いて良い。辛い時は、辛いって言って良いんだよ?誰もアンタを責めない。」

「ありがとう…まりな。」

「あと…好きなら好きって言って良い!黄瀬君は桜の事、ちゃーんと受け止めてくれるよ?本当に澪を思うなら…アンタが、まず自分に正直でいなくちゃいけないんじゃないの?」

自分に正直…
私には、できない事だった。だから自分に正直な黄瀬君を好きになったんだと思う。

私…黄瀬君が好き。

彼の目とか眩しい笑顔とか、あの流れるようなプレイ、真っ青な海常のユニフォーム姿、いつも自分に正直な所。挙げたらきりがない。本当…おかしいよね?最初は、引っ叩きたいくらい、ふざけた人だと思ってたのに…

でも…きっともっと好きになれる、だってまだ、私の知らない彼が沢山あるはずだから…

「私…まりなが親友で良かった。まりながいたから、わかったよ。私…黄瀬君が好き。」


そう言うとまりなは、優しく微笑んでいた。


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