第8章 第6章 少しずつ狂う時間
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【チャット『俺も以前は』】
『おいおいモードレット。そんな簡単に言いきっちまって大丈夫かよ?』
茶化すようにそう声をかけてきたのは、私と契約済状態になっているザビーダだ。
「うわっ! ザビーダ急に声かけないでよ」
まだ、頭の中で話しかけられなれていない私は、思わず驚いて声を出してしまった。
他の皆に変な目で見られる。
う~・・・・・・泣きたい。
『急にじゃねーだろ。まだ会ってないから姿現すな。って言ったのお前じゃねーか』
『そうだけど! けどザビーダなら知ってるでしょ。フィーがどうなるのか』
『そりゃ、こうやってマオ坊と一緒にお前と契約してるわけだしな。』
私とザビーダがわいやわいやと頭の中で言い争っていると
『モードレットは僕がこの姿になることまで知ってるし、心配することはないんじゃないかな。ザビーダ』
『マオ坊がそういうなら、別に構わねぇが。俺だって出来ればモードレットには余計な心配かけたくないからな。』
そこで一度言葉を切るとザビーダは続けて話す。
『けど、実際問題。モードレットが現れたことでこの時間がねじ曲がっちまったのも否定できないだろ?』
そう、よくある話。ではある。
本来その時間軸にはいない人間が現れたことで、その時間軸または未来に影響が出る。
呼び名は様々だけど、タイムパラドクス・バタフライエフェクトなどと呼ばれている。
『現在進行形でそうだしね。』
『そうかな? 僕はモードレットが来てくれたおかげで良い方向に変わりそうな気がしてるよ?』
まぁ、マオテラスが憑魔化していない時点でライオンどうなった。って感じなんだけど。
『ま、なるようにしかならねぇか。安心しろよ最後まで見届けてやるから』
『ま、よろしくね。戦闘要員だし。』
私が冗談半分でそう答えると
『そこかよ! 対魔師に使役されてた時を思い出すねぇ。』
『アイフリードに助けられたんだよね?』
『おう!』
『僕も早くライフィセット・・・・・フィーってベルベッドに呼んでほしいな。』
懐かしそうにマオテラスが呟く。
『フィー・・・・・・マオってホントベルベッド大好きだよね。私も好きだけど。』
『え・・・・・・そうかな?』
私と契約したマオテラス(以下マオ)は照れたようにはにかんだ。
「おーいモードレット。アイゼンが呼んでるぞー」
「わかった。今行く。」
『それじゃね』
『またねマオ』