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歌を奏でて(詰め)

第3章 神威×吉原ラメント


「御希望通り…もうツマラナイ事なんて無くしてあげるよ、おいで…俺の処へと」

一見、優しそうにも思えるその笑みは私を乱していく初めの鍵ともなった。





「神威…何で私なんかを選んだの?」

あれから幾つの時間が流れていってしまったのだろうか、私は神威に連れられ地球から離れた。

神威は何時も通り何を考えているのか解らない微笑みで、地球が無くなったら彼処はどうなっちゃうんだろうね、なんてふざけた事を言いながら。

「え~、簡単に言うと俺の一目惚れかな? とてつもなく奏の事が欲しくなったんだ」

「ふ~ん…、私を連れ出してくれて有り難う御座います…」

顔を見られない様にして、私は微かな声で神威に向けて感謝の言葉を贈る。

「奏も感謝とか出来るんだね」

「喧嘩売ってるの?」

笑いながらも綺麗な景色を眺めながら神威の頬に口付けを落とした。

一瞬、澄んだ瞳を驚かせた様に開いて何時の間にか閉じて意地悪な笑みを浮かべている。

「口付けは口にするものだよ? 口にしてくれないの?」

そんな事を言いながら神威は私を優しく壊れない様にと抱き締めた。

嗚呼…、籠から私は出れたんだな、こんなにも愛しい人が居るんだな、なんて考えながら今度は口にと口付けを落とした。

~EИD~
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