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歌を奏でて(詰め)

第4章 高杉×ロミオとシンデレラ


そんな絶好の獲物を逃がせる訳が無いでしょう?

蜘蛛の糸に絡み付いた様に魅了して、たとえ私の前から消えたとしても必ず此処へと戻ってくる様にとさせる。

だって、そうじゃない…逃げたとしても私を追い掛けさせる為の罠で、どのみち私に惚れている。

シンデレラと言うおとぎ話かってそうだった、魔法の靴を落としたなんて嘘をついていたじゃない。

それに…私だって幸せに成りたいわ。

誰かの小さな幸せを喜べる程の善良な心なんて、とうの昔に何処かへ捨ててきた。

「私を連れ去って下さる方はいくら探しても見付かりはしませんから…なら、私と一緒に居て下さる方を探せば良いですもの」

そう…それが貴方。

「ククッ…俺が一つの場所に留まるとでも?」

「なら、連れ去って下さるの?」

こんな亡霊達がさ迷う中で、そんな亡霊達の姫様として、逃げ出す言は成らない。

もしも…その掟を破ってしまおうならば何処までも付いてくるかも知れない。

そんな楽しい事が有るだろうか。

…今まで、その話をして連れ去って下さる方は見当たらなかったのだけれどね。

さぁ…、貴方はどうなのかしら?

~EИD~
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