第9章 おそ松のおでん
何か、話さないと。
謝らないと。
「あのね、おそ松く」
「ゴメンな」
「え?」
おそ松くんはビールを飲み干しグラスを置いた。
「…ホントはさ、俺だってわかってんだ」
おそ松くんは少し照れくさそうに続ける。
「主ちゃんが、その…俺との将来の事、ちゃんと考えて悩んでくれてるって…」
(そんな風に思ってくれていたんだ…)
手をキュッと握りしめ、おそ松くんと見つめ合う。
「わたしも…ごめんなさい。ヒドイ言い方しちゃって…」
涙を必死に堪える。
「勝手に一人で焦ってた。こうやって、一緒に過ごすのが…一番大切で、一番幸せな事なのに…」
「…もうちょっと待っててくれるか?俺、主ちゃんのために、ビッグでカリスマなレジェンドになるからっ」
「それは…」
わたしの口から笑みがこぼれた。
「信憑性が低いなぁ…!」
「な、何だよソレ!?安心させようと思ったのに!!」
いつの間にか二人は笑顔になっている。
そして、抱きしめられたかと思ったら、そのまま唇が重なり合い…ソファーの上に押し倒された。