第64章 ※トッティの葛藤 末弟END
トド松視点
「へーぇ、松野彼女出来たんだ?」
「見て見てこれ写真。クッソかわいくなーい?」
「かわいいじゃん。で?仕事は見つかった?」
『なにもなし男合コン』ぶりにあつしくんに会ってサシ飲み中。
ボクはビール、あつしくんはハイボールを片手に串焼き盛り合わせを頬張る。
「まだ…決まってない」
「それ彼女知ってるの?」
「ううん。しかもバイトしてるって嘘ついてる。実際は、時々彼女の実家のケーキ屋手伝ってるだけ」
「トコトン自分に甘いねぇー」
ど直球で攻めてくるあつしくん。
あつしくんはいつもズバズバ斬り込んでくる。
まるで一軍の余裕を見せつけてくるかのように。
「親に挨拶は?」
「してないよ」
「そろそろ頃合いじゃないの?」
「まぁね。ってゆーか、ボクばっかじゃなくてあつしくんはどうなのさ?」
あつしくんは砂肝を時間をかけて噛んだ後、ため息を吐いた。
「全然ダメ。この間合コンで知り合った子も、ドライブしたら冷めちゃって」
「え?もしかしてあのショートの子?」
「そう」
食べ終わった串焼きの皿をボクがテーブルの端によけると、あつしくんは「どうも」と言って話を続けた。
「ちょっとね、がっつかれると引いちゃうんだよ。面倒くさいの苦手だし、暫くは彼女作らなくていいかな。松野は付き合ってて、面倒になったり疲れたりしないのかい?」
「面倒くさい、疲れる…?」
瞬時に主ちゃんを脳内再生してみる。