第9章 おそ松のおでん
おそ松視点
俺の行きつけの店、ハイブリッドおでん。
二十二時現在の客は俺一人。
「はぁーーー」
屋台のカウンターに突っ伏すと、酔いが回り頭がぐわんぐわんした。
「ケケッ、どうしたー?ため息なんてらしくねーじゃねーか」
「もー今日は飲めるだけ飲んじゃーう。チビ太ービールー」
チビ太は少し困った顔をして、俺にビールではなく水をよこした。
「一人で何本空けてんだ!飲みすぎだバーロー!」
「もーいーの。主ちゃんには嫌われちゃうし。こうなったらトコトン堕ちるとこまで堕ちるー!」
「それ以上堕ちるとこなんてねーだろーが」
「んだとー!?」
「まぁ、主ちゃんと何があったか知らねーが、意地張らねーで早く謝ってこいコンチキショー!」
そう言うと、チビ太は俺の席を片付けだした。
「あー!おいチビ太!俺まだ飲んでんだけどー!」
俺が駄々をこねる目の前で、おでんをテイクアウト用の器に入れ始めるチビ太。
「…ったく。しょうがねーからこれやるよバーロー。オイラからだって主ちゃんに渡してこい!」
「チビ太……いいの?」
「…へっ。礼はいらねーぜバーローコンチキショー!そのかわり、少しはツケを払って…っておーーいっ!!??」
「ありがとなチビ太ーー!!じゃ、ツケといてーー!!」
チビ太に手を振りながらエンドレスてやんでぇバーローチキショーを後にし、俺は主ちゃんの元へ向かった。