第61章 カラ松と媚薬で酔いしれたい時に読む話
目が覚めると、オレは元の姿に戻っていた。
主に媚薬の話を正直に話すと、驚き戸惑ってはいたが、いつものオレに安堵の溜息を漏らし再び眠りについた。
マジLOVE6000EXはその名の通り、本気の愛を引き出すパーフェクトな媚薬だったってワケだ。
眠る主の唇にそっとキスを落とし、ベッドから起き上がると、オレは早速デカパン博士の元へ向かった。
・・・
「ホエホエ、二人で半分こして飲んだダスか?」
「ああ、めくるめくエクスタシーだったぜ!」
オレはクルッとターンしてからパチンと指を鳴らした。
ええと、サイコーだったというのを体現したかっただけだ。
「まさか、オレが変身するほどの効き目とは思わなかったがな」
「おかしいダスね。女性にしか効き目の出ない成分を配合したはずダスが…」
「……え?」
「ワスも飲んでみたダスが、何も無かったダスよ?」
「なん…だと!?」
どういう事だ?
訳が分からない。
「ホエホエ、何にせよ報告感謝ダス!興味深い結果が出たダスよ!きっと、潜在能力を引き出す成分が入っていたのかもしれないダス〜!お礼に1ダース持って行って欲しいダス〜!」
「あ、えっと…」
「遠慮はいらないダスー!」
「ど、どうも……」
半ば強引にマジLOVE6000EXを渡されラボを後にした。
(なんともミステリアスな話だ…)
雲ひとつない青空を見上げ、冷たい空気を肺に目一杯取り込むと、幾分か頭がスッキリした。
思考はまだ混乱しているが、オレなりに分かった事がある。
愛こそ媚薬。
愛こそ正義。
愛こそ全て。
愛があれば不可能なんてない。
それがオレの導き出した答えだ!
またお前を飼い慣らしたくなったら…。
その時は…なっ?