第3章 次男と浴衣
主人公視点
——翌日。
旅館のチェックアウトを済ませたわたし達は、お土産屋を覗いている。
「おお、あったぞ!温泉饅頭8個入り!これならばオールファミリー平和に食べられる!実にピースフル!」
はしゃぐカラ松くんを尻目に、わたしはグッタリとお店の柱に寄りかかっていた。
結局、朝方まで行為に及び、寝不足と疲労でほとんど疲れの取れないまま今に至る。
(なんで…あんなに元気なのかな…)
遠くから眺めていると、カラ松くんがキョロキョロしだした。たぶんわたしを探しているのだろう。
だけど…
(わたし…カラ松くんと、今までにないくらいにあんな事やそんな事を…!!)
昨晩の自分の淫乱っぷりを思い出すと、顔から火が出そうになるほど恥ずかしい。
一緒にいるとどうしても思い出してしまうので、少し距離を置いていたかった。
カラ松くんは、そんなわたしの気持ちに微塵も気づいていない様子。
温泉饅頭の入った袋を嬉しそうに持ち、格好つけた笑みを浮かべながらこっちにやって来た。
「主、ここにいたのか。買い物は済んだのか?」
「うん…会社と友達用にちょっとだけ」
「そうか。じゃあ行くぞ」
差し出された手を躊躇いながら繋ぐ。
話しかけられず口をつぐんでいると、カラ松くんから声をかけてきた。
「主…」
「な、なに?」
「心配するな…」
「えっ、何を!?」
「昨夜の狂ったように乱れ咲くお前は…実にソウルフルでさいゴフッ!!??」
咄嗟にみぞおちへ肘鉄を喰らわせた。
カラ松くんの身体がくの字に曲がる。
「な、なぜだ…!?マイハニー…!」
「一ヶ月セックス禁止」
「ええーーーーっ!?」
だって。
夢中になりすぎてこわいんだもん…。