第16章 痴漢ごっこ カラ松
赤塚駅で降りたのはいいものの、オレのカラ松ボーイはもうはちきれんばかりになってしまっていた。
とりあえずは前かがみになり、ウミガメの産卵を思い浮かべクールダウンさせる。
ウミガメよ…いつも世話になるな。
主はというと、イったばかりだからか、だるそうにベンチに座りこんでいる。
「大丈夫か?」
「…うん」
「家まで送るから、がんばって歩けるか?」
「…がんばる」
「そうか…ほら、帰るぞ」
オレが手を差し出すと、立ち上がりキュッと手を繋いでくれた。
「帰るだけ?」
「んー?」
「…その…つづき…しないの?」
え?
いいの?
いいのか?
いいんだな!?
「フッ、オレというディープブルーオーシャンに溺れ、眠れなくなっても知らないぜ?」
「…やっぱり帰って」
「ええええーーーー!!??」
気まぐれで小悪魔なマイハニー。
そんなキミにオレは今日も振り回され、ますますゾッコンになっていくのだった。