第14章 カラ松の夜
カラ松視点
数日後…
オレが屋根の上で作曲活動に勤しんでいると、十四松がひょっこり遊びに来た。
「カラ松兄さん何してんのー?」
「ちょっと…な…。したためたポエムを曲にしているところだ…さわりだけ聴くか?」
「うんうん」
かわいい弟のために、オレはギターを弾きならした。
〜♪
〜〜♪
自由になれた気がしたー
十五夜のよーるーー
・・・
「どうだ?」
「さすがに!」
「さすがにどうなんだ?」
「さすがに!」
「最高だろ?」
「さすがに!」
「だから…さすがにどうなんだって?」
「モロパクリだね!」
「……」
オレは、サングラスをかけた。
決して涙を隠したわけではない。
サンシャインが眩しかったからだ。
「フーン、それは違うぞ十四松。リスペクトするミュージシャンからインスピレーションを受けただけで、決してパクリなどでは…ってあぁぁぁぁぁあああーー!!!」
——ドスーン!!
やれやれ。気まぐれな天使が、オレの背中を押したらしい。
ってゆーか、屋根から落ちたの…何度目…だ、ろ…う……。
「にーーーーいさーーーーーんっっ!!!!」
その後、カラ松オリジナルソング、十五夜の夜は封印され、日の目を見ることはなかった…。