第7章 ヒロさんの秘密
「ねー、ヒロさん聞いてよ~」
「ノックぐらいしてもらえないでしょうか」
ここはヒロさんのお部屋。
オシャレでイギリス調の家具で気に入ってる。
だから何かと理由を付けて入り浸ってる。
いや、もはや理由なんかない時もある。
「ヒロさんって結婚しないのー?」
ヒロさんは独身だ。
10代前半からここ西条院家に仕えてるらしいし。
出会いなんか...、ないでしょ。
「なんですか、気になるのですか?」
眉間にシワを寄せて見てくる。
そんなに不機嫌にならなくたって...!!!
「当たり前でしょ!!ヒロさんカッコイイのに独身なんて変!」
はぁ....、と深い深いそれは呆れたと言ってると同然のため息を吐いた。