第4章 Crazy four
そんな事を何度も繰り返していると遂には与一さんが吹き出した。
「微笑ましいですねー。
こんな状況ながら心が和みますよ。
ねえ、信長殿?」
「全くじゃ。
総大将をここ迄骨抜きにするとは
も中々の手練れじゃな。」
からかうような与一さんと信長様の視線に、私の顔は一気に熱を持った。
「そんなんじゃないです!
私は誰にも怪我をして欲しくないだけで……」
自分の気持ちを誤魔化すように勢い良く言った私を見て、信長様と与一さんは優しい笑顔を浮かべる。
「分かっておる。
まあ、任せておけ。
俺と与一も控えておるのだ。
を泣かせる事には成るまいよ。」
そんな信長様の言葉が私の不安を少しだけ和らげてくれた。
「さあ……あなた達、着いたわよ。」
馬車の外からサン・ジェルミさんの声が聞こえる。
「さて……行くかの。」
「ええ、参りましょう。」
「おう。行くど。」
三人三様の一言を吐き出して、私達はその地に降り立った。