第1章 First impression
「どっちだ?」
は………?
「お前(まあ)は、どっちだ?」
どっち……?
誰?
何を言ってるの?
頭が痛くて……ううん、身体中が痛くて……
何も考えられない。
「まあ、良か。
俺(おい)には細かい事は分からん。
取り敢えず信(ノブ)か与一に見てもらえば良か。」
その人はそう言うと、私の身体を軽々と肩に担ぎ上げて歩き出した。
「目が覚めましたか?」
私を担ぎ上げた人とは違う、綺麗な……男性?
「身体中傷だらけではありましたが
どれも致命傷ではありませぬ。
安心召され。」
その柔らかい声色が少しだけ気持ちを落ち着かせてくれた。
「それにしても変わった召し物ですねえ。」
彼は手に持った私のワンピースをまじまじと見つめている。
私のワンピース……?
「嘘っ…」
慌てて自分の身体を確認してみると、私が身に付けているのは下着だけだ。
「…………っ!」
掛けられていた布を引き寄せ全身を縮ませると、彼はふふっと優し気に微笑む。