第3章 Triple fighter
「あの……廃棄物(エンズ)と漂流者(ドリフ)って
何が違うのでしょうか?」
私は根本的な疑問を誰にともなく聞いてみた。
それに答えてくれたのはサン・ジェルミさん。
「そうね……
廃棄物(エンズ)としてこの世界に来る者は
もはや人と言えない。
只ひたすらにこの世を憎んで憎んで憎みきっている。
全てを滅ぼさなければ気が済まない程にね。
とにかくあなた達みたいにまともに話は通じないわ。」
サン・ジェルミさんの話を聞いて背筋が寒くなった。
そんな人達と戦ってるの?
そして私も一緒に戦うの?
ごくりと喉を鳴らすと、それに気付いた信長様が
「心配する事はにゃーぞ、。」
と、声を掛けてくれた。
「でも……」
そう言われた所でこの膨らみ続ける不安は治まらない。
「取り敢えずうちの総大将が『じゃんぬ』とか言う
女戦士を倒しておる。」
「応。
井戸ば叩っ落として頭突いてくれたわ。」
信長様の言った事に対して、豊久さんは得意気に鼻を鳴らす。
「じゃんぬ……?」
じゃんぬ……って、もしかして?
もしかして……?
「ジャンヌ・ダルクよ。
オルレアンの乙女……なら知ってるでしょ?」
教えてくれたサン・ジェルミさんに向かって、私はこくこくと何度も頷いた。