第2章 Second impact
「だが、豊久は違う。
お豊(トヨ)は利益も損得も恐怖も恫喝も頭に無い。
当に王の器だ。」
信長様は豊久さんの事をそんな風に思っているんだと少し驚いた。
信頼なんていう言葉すら軽く感じてしまう程、この人達は深く分かり合っているんだ。
「だが……」
信長様がまたニヤリと笑って続ける。
「この総大将殿は馬鹿なので補佐が要る。
それが俺よ。」
………………………。
「誰(だい)が馬鹿かーーーー!」
「うわーー馬鹿だーー」
「馬鹿が怒ったーーー」
楽しそう……で、良いんだよね?
うん、楽しそうにはしゃぐ3人とサン・ジェルミさん。
その姿を見て、私もこの世界に来てから初めて笑う事が出来たんだ。