第7章 restart
豊久と初めて身体を重ねてから3日が過ぎた。
あの日以来、豊久は毎晩私を抱き締めて眠る。
信長様と与一さんにどう思われるのか不安だったけれど、少なくとも悪い印象は持たれてないみたいだ。
豊久が「、寝るど」と私を連れ出す度、「ゆっくり休めよー」と優しい声を掛けてくれる。
もしかすると私が側に居る事で少しは豊久の支えになっていると思ってくれているのかも。
……自惚れかもしれないけど。
豊久は私を抱えて眠るけれど、抱こうとはしなかった。
私の身体を気遣ってくれているんだと思う。
ただ眠りに落ちるまでは飽きる事無く口付けを重ね、何かを確かめるように私の身体中を弄る。
まるで母親に甘える子供みたいに……。
そんな姿を見せてくれる豊久が愛しくて、私も全く拒まず豊久のしたい事を全て受け入れた。
今晩も身体中に口付けを落とされ、私は豊久の物なんだと言わんばかりに跡を付けられてしまった。
恥ずかしくはあるけど、でもそれが嬉しかったりもする。
本当に人を好きになるって不思議だな。
既に豊久は穏やかな寝息を発てて熟睡している。
だけど私は火照った身体を持て余し眠れないでいた。
少し外の風に当たりたいな。
信長様からは絶対に一人になるなと言われているけれど、少しだけだから大丈夫だよね。
ちょっと廃城の廻りを散歩するだけ。
私はぐっすりと眠る豊久の髪をするりと撫でて、その腕の中からそっと脱け出した。