第12章 楽しい楽しい林間合宿
えぐえぐとしゃくりあげる三奈ちゃん。私はその隣で、彼女の背を撫でる。
「土産話っひぐ…楽しみに…うう…してるっ…がら!」
泣き出す彼女の頭を撫でていると、その近くには、絶望的な顔をした4人の姿が。珍しく上鳴が暗い顔をして、口を開く。
「…犬猫山…俺の頭も撫でてくれ…」
「……よしよし」
「う…ううっ」
もう行けない体の4人。そんな4人に緑谷が励まそうと口を開く。
「ま、まだ分かんないよ! どんでん返しがあるかもしれないよ…!」
「緑谷 それ口にしたらなくなるパターンだ…」
瀬呂のツッコミが入り、涙目の上鳴がキッと緑谷を睨む。
「試験で赤点取ったら、林間合宿行けずに、補習地獄!そして俺らは実技クリアならず、これで分からんのなら、貴様らの偏差値は猿以下だ!!」
「落ち着けよ。長ぇよ」
ギャーギャーと言い合っているうちに、予鈴がなり、相澤先生がやって来た。そして、お通夜ムードの中、期末テストの講評を述べる。4人が項垂れてすすり泣く声が聞こえる。…よほど花火がしたかったんだな。
「残念ながら赤点が出た、したがって…」
「うう…」
グズっと誰かの鼻をすする音がし、そして相澤先生は口を開いた。
「林間合宿は全員行きます」
「「「「「どんでんがえしだあ!」」」」」