第18章 これでも*おそ松
人が疎らな通りまで来て、足を止める
お「ぅお?!」
手を繋いでいたせいで、おそ松君が後ろに転びそうになる
「ごめ・・・息、が」
お「ま、ここまで来れば大丈夫か」
2人でそばにあった垣根に背中を預け、息を付く
「それにしても、すごいね」
お「ん?」
「回し蹴り。初めてみた!」
若干興奮して、胸の前で両手を握る
お「ま、お前を守れなきゃね。惚れ直しちゃったぁ?」
「・・・うん、か、格好良かったよ」
普段言わない言葉に恥ずかしさが込み上げる
お「キスしてくれていいよ?」
もぅ、また調子乗るんだから
でも、たまにはいっか
チュッと小さく口付ける
お「え~、何でほっぺ?そこは口でしょ?」
ブーブーと口を尖らせて文句を言っている
「外だもん」
そう言えば、おそ松君はニヤッとして
お「屋内ならいいんだ?一之瀬ん家いこ!」
再び手を繋がれ走り出す
格好良かったり、お調子者だったり
今日みたいに意外な一面が見れたり
そんな彼に振り回される毎日
それでも楽しいと思ってしまうから、惚れた弱みかなぁ
「おそ松君!」
お「ん~?」
走りながらお互いに大声を出す
「大好きだよ~」
お「はは、俺も~」
端からみたら変な人に見えるかもしれない
でもきっと、おそ松君も同じ気持ちだと思う
2人が楽しかったら、それでいいやって
「これからも色んなおそ松君見せてね」
お「オッケーよん、目ぇ離すなよ?」
そう言って同時に笑い出す
この先の二人だけの時間が、たくさんありますように
-fin-