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松の間

第11章 君の隣は*カラ松


「カラ松君?」

半ば強引に腕を引きながら部屋に入ると、一之瀬に声をかけられた
振り返り彼女を抱きしめる

カ「なぁ、お前は誰の彼女だ?」

誰でもない、俺のもののはずなのに

「えと、カラ松君のです」

カ「なら、あいつらの誘いなんかちゃんと断れ。一度ビシッと言わないとつけあがるぞ」

俺が言っても聞かないからな
一之瀬は優しすぎる。当たりさわりない態度は、兄弟が押せばイケると思ってしまうだろう

カ「それにお前の隣は俺のポジションだからな。誰にもやらんぞ」

「カラ松君…うん、今度からはちゃんと断る」

気合を入れるように胸の前で両手をギュっと握っている

カ「あぁ、場合によっては一之瀬の上も下も俺のポジションだがな」

ニヤッと厭らしい笑いをしたのが自分でもわかった
初めはポカンとしていた一之瀬も、意味を理解すると顔を赤くして

「バ、バカッ」

そう一言言ってプイッと後ろを向いてしまった
全く、恥ずかしがり屋だな、マイ スイートは

後ろから再び抱き締める

カ「なぁ、俺がどれだけ不安か分かるか?いつかあいつらにお前を奪われてしまうんじゃないかと…」

「そんなの、あるわけない。私はカラ松君が好きなんだもん」

そう言うと突然身体を翻し、ぶつかる様にキスをしてきた

「いくら見た目が似てても、カラ松君だから好きなの」

俺の胸に顔を埋め、ギュウッと抱き付いてくる
あぁ、こんなにも想われることが幸せだなんて

カ「そうか、ありがとう。俺も一之瀬が好きだ…いや、愛してる」

一之瀬の顔を上げさせ、瞼と頬にキスを落とす

カ「お前の全てが俺のものだ」

そして唇にも
深く、深く、何度も

確かめるように
お前が俺のものだと、俺もお前のものだと
この愛が確かなものだと

そう互いに刻み込むために




-fin-
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