第1章 *プロローグ
「うわっ、出た。 アイツまだ生きてやがった」
「えぇー、早く居なくなってしまえよ…気持ち悪い」
「アレが居るから、ここの変な噂が広まるんだよなぁ」
村に姿を出すと聞こえる言葉。
「悪魔」 「鬼子」 「忌み子」 「化け物」
例えは様々、だがどの例えも私の事を嫌う言葉ばかり。
私の容姿が普通とは違うから?
私の持ってる不思議な力が怖いから?
私が突然現れたから?
村人達が、なぜ私をそこまで嫌うのかは幼い私には分からなかった。
分からない私に村人は一方的な暴力・暴言が絶えなかった。
「こっちに来んなっ!」
そう言って石を投げる者。
「気味悪いわ…あんな奴早く死なないかしら」
そう言って影から見ている者。
決して直接暴力を振るわない村人達。
きっと近づくと何があるか分からないのが怖いのだろう。
でも私は、何もしてないのに傷つけに来る村人達が怖い……。