第7章 大王様、登場
黎side
影山君は及川さんが来てから少し焦っている様な感じがする。そんなに及川さんは凄い人なのだろうか。
及「ねぇ君。名前は?」
貴「っ?!」
いきなり後ろから声をかけられ、身体が思いっきり飛び跳ねる。咄嗟に近くにいた菅原さんの後ろへ隠れた。
及「あれ?隠れるの誰でもいいのかな。部長君とはなんでもないって事?」
貴「え?」
及「じゃ、俺にもチャンスがあるかなぁー♪」
及川さんは、そう言ってご機嫌でアップに戻る。菅原先輩に大丈夫?と心配されるくらい、青い顔をしていたみたい。
貴「だ、大丈夫です!」
そう。今はこんな事を気にしていられない。コートでは選手が必死に戦ってる。私の役目は、みんなのサポートを精一杯やること。さっきのは忘れよう!
試合は取って取られての繰返しで拮抗していた。そしてとうとう、24対21、烏野セットポイント。
あと一点。あと一点でベスト4の青葉城西に、勝てる。
でも
"ピー"
簡単にはいかない。
及「先輩に任せなさい!」
青葉城西キャプテン、及川登場