第4章 3対3
日「よし!俺も!!」
日向君は、160センチそこそこで、男子の中では小さい方だ。なのに、試合の前も
日『俺は、翔べるんだ!だから、月島なんかに負けねぇ!』
そう言ってた。でも、日向君はバレーのネットから手を出すのに、何センチ翔べばいいんだろう。頭に浮かぶ数字は、普通は有り得ない数字。
日向君が助走して踏み切る。そして、彼は名前の通り
"ブワァ"
貴「……翔んだ…。」
私の想像をはるかに超える跳躍力。
でもまだ小さな雛鳥だった彼は
翔び方を知らなかった。
日「っ!!!」
"パァン!ドガっ"
月島君の高い壁に捕まった。
このあと、何度も何度も翔んだけど、日向君のスパイクは全て月島君にシャットアウトされた。
貴「日向君、なかなか決まりませんね。」
菅「そうだなぁ。」
縁「田中のスパイクは、そこそこ決まってるんですけどね。」
日向君は、凄く悔しそう。
影山君は…何か苦しそう。
でも、一人だけ
月「ねぇ、王様のトス、やらないの?ブロックに捕まりっぱなしだよ~。やればいいじゃん!ブロックを置き去りにするトス!ついでにスパイカーも置き去りにする奴ね!!」
嬉しそうな月島君。
日「お前さっきからうるさいぞ!王様のトスってなんだ!!」
月「…君、王様が何で王様って呼ばれてるか、知らないの?」
(え?)
日「そんなの、こいつが強いからビビった他校の奴が、そう呼んだ…とかじゃないの?」
月「そう思ってる人も多いみたいだけど、本当は王様のチームメイトが着けたらしいじゃん!」
それは、影山君の
辛い過去。