第3章 同級生
私は部活中。
(私は……澤村先輩が………好き…、なのかな。)
縁「おーい、風間~」
貴「……っ?!」
はっとして、顔を上げると、縁下先輩と田中先輩が私をガン見していた。
貴「あ、あれ?」
田「おいおい、大丈夫か?」
縁「声掛けても上の空だったけど、どっか調子悪い?」
貴「い、いえ!大丈夫です。すみません!」
そう言ってその場から逃げる。
"パンパン"
(今は部活中!!)
頬を両手で叩き、気合いを入れ直した。
考え事をしないようにって少し頑張ると、清水先輩から直ぐに声を掛けられる。
せめて今日だけでも甘えて、と清水先輩に見つめて言われると、キュンとしてしまい、はい、しか言えなかった。もどかしい中、部活が中盤に差し掛かると
「「こんちわ。」」
体育館の入り口から聞き覚えのある声。
月「……え?なんでいんの。」
山「あれ?風間さん!」
何回見ても愛想の無い嫌なやつと愛想が良く裏もない好青年が、私を見て声を上げる。
貴「山口君!バレー部に入るの?」
山「うん、つっきーと一緒にね。」
澤「なんだ、3人とも顔見知りか?」
貴「クラスメイトです。」
澤「…そうか。」
(あれ?)
澤村先輩の顔が一瞬曇った気がしたけど、もういつもの表情に戻っていて、月島君と山口君の紹介をしている。
(…気のせい、かな。)
私は澤村先輩の横顔を見ながら
やっぱりカッコいいなあ、
なんて、考えていた。