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好きだ。-烏達の恋-

第1章 はじまり




"1年4組 風間黎"

名前を見つけて、新入生でごった返す掲示板の前から逃げるように離れて教室を探す。


貴「あった。」


廊下にも人が多かったので、早く教室に入りたくてドアを開く。同時に後ろから聞こえる、女子の黄色い悲鳴。
振り向くと、長身で金髪の男子が廊下を歩いていた。回りの女子達はイケメンと言って、男子に熱い視線を送る。
当の本人はヘッドホンをしているため、全く気づいていないようだ。
女子の前を素通りし、私の方にスタスタと歩いてくる。


そして


"ドンッ"


わざとらしくぶつかってきた。
そして、見事なスルー。


貴「いったぁ。ちょっと、何すんの。」

?「………」

貴「聞いてるの?ノッポ君。」

?「え?何?僕のこと?」

貴「そ。私に何か、言うこと無い?」

?「あ、僕ノッポって名前じゃ無いから。」

貴「ちがーう!そこじゃないでしょ?!」

?「教室の入り口でボーッとしてるのが
悪いんでしょ?後、僕は月島だから。」

貴「なっ?!」


じゃあねーと、手を振って席につくノッポの背中を睨んでいると、山口と名乗る男の子が私に謝ってきた。


山「ツッキー、ちょっと機嫌悪くて…ごめんね。」

貴「いや、別に山口君が謝ること無いと
思うけど…。」

山「でも、友達だからさ。」


そう言って笑う山口君の事が、素直に格好いいと思った。


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