第6章 空条 承太郎(ジョジョ)
そんな彼をやはり頼ってしまう私は最低で、何でもっと自分自身に厳しく出来ないんだろうかと思う。
「悲しい…よ、悲しい、私は何で生きてるんだろう…何で私なんかが生きてるんだろう……私が死んでたら皆が生きてて幸せで、その方が絶対にー……」
「萌ッ!!」
大きな声で私の言葉を塞いでしまう。
怒っているんじゃあ無い、私がそんな事を言って苛立ちはしなかったから…何時も。
多分、承太郎は……私が【死んでたら】なんて言ったから…だから悲しんだんだと思う。
「そんな事…、もう言っても仕方が無いだろう……」
優しく私を包み込む様に抱き締めてくる承太郎が、こんなにも脆いんだと改めて思い知らされた。
「ごめん…ごめんね……、ごめん、承太郎」
私も承太郎を抱き締め返して囁く。
「もう…そんな事を言わないでくれ、俺にはお前しか…萌しか居ないんだ…」
そんな弱々しい彼を私は今までも、これからも受け止めて行かなきゃあならないんだ。
そう、それが私の役目なの…大好きな承太郎を見守っていく役目。
壊れない様に、潰されない様に、今までの承太郎の様に。
大好きだけど友達以上には成らない、それが私の罪に値する残酷な罰だから。
「うん…、承太郎…」
もう少しだけ、悲しみを分け与えて。
~EИD~