• テキストサイズ

一番の御姫様(詰め)

第3章 獄寺 隼人(リボーン)


~獄寺 隼人~

「チッ…まだかよ」

苛立ちを露にさせながら公園に設置された時計を見やる。

彼奴…何が、一人で行けるから私の浴衣姿を楽しみにしててね…だよ。

何分待たせやがるんだ。

深い溜め息を吐き、電話をしようとズボンのポケットへと手を伸ばすが、その手が止まる。

ようやく来たかよ…

聞き心地の良い下駄の音が道路から聞こえて来る。

去年もこの下駄履いて来たよな…

この音が好きだから~、何てほざいてたっけ?

「隼人~!」

「来たよ~! 御祭り行こ~!」

振り向くと、能天気な笑顔で手を振っている萌が道端に立っていた。

「あ~、はいはい」

そんな萌の笑顔を見ると、苛立ちや怒る気が失せる。

浴衣と下駄で歩きにくいのだろう。

ヨタヨタと歩く萌を横目で微笑ましげに見ながら歩く速度を落とす。

「ありがと~、隼人!」

「あぁ、…萌…浴衣姿を自慢しねぇのかよ?」

小馬鹿にする様に微笑んで髪型を崩さない様に優しく頭を撫でる。

「ん~、するする!」

「えっとね、隼人は嵐属性だから赤色でしょ~」

「だから浴衣の主な色を赤色にして御揃いにしたんだ~!」

去年と浴衣の色が違うのは、そのせいか。
/ 32ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp