第9章 9
あの日からノアはリヴァイのことを避けるようになった
兵舎の廊下でリヴァイを見つけたときはエルヴィンの部屋に入り
訓練中にリヴァイが近づいてきたときは立体機動で林に逃げ
食堂では兵士に紛れながらアンナやリアムに話しかけ
遂にはハンジの地下にある研究室に逃げ込んだ
「ノアがここにくるなんて、珍しいね」
カチャカチャとお茶を用意しているハンジだが、そのカップが欠けていたり部分的に茶色く見えるのは気のせいだろうか
「…たまにはいいだろう」
「あぁ、もちろん大歓迎だよ」
少し薄暗い地下室では、目が悪くなりそうだ
ノアの座る周りには紙や本が乱雑に積まれており、何に使うかもわからない器具が沢山置いてある
「…キミはここで何をしているんだ」
思わず出てしまった言葉に気づいたとき、ノアはしまったと思った