第1章 1
エルヴィンはミケに目を向け、リーダーの頭を押さえ付けていたミケが頭を引っ張り上げる
エルヴィンは水溜りで足が濡れることも構わず、跪きリーダーの目を真っ直ぐに見た
「わたしの名はエルヴィン・スミス、お前の名は?」
「………リヴァイ」
「リヴァイ…、わたしと取引しないか」
「……取引?」
「お前たちの罪は問わない、代わりに力を貸せ」
エルヴィンの目に力がこもり鋭さを増した
一種の賭けをしようとしている
「調査兵団に入団するのだ」
「……ぇ」
窃盗どもの間に少しの驚きと戸惑いが漂う
リヴァイの目が少し鋭さを増す
「………断ったら」
「憲兵団に引き渡す。」
エルヴィンが立ち上がり窃盗どもに背を向ける
「これまでの罪を考えるんだな、お前はもとよりお前の仲間もまともな扱いは望めないだろう
好きな方を選べ」
リヴァイのほうを向き、ニヒルな笑みで選択肢を与える
少しの間を持ち、決心したような態度のリヴァイ
「………いいだろう」
他の仲間は少しの驚きを隠せないでいた
リヴァイは口に入ったドブを吐き捨て
「…調査兵団に入ってやる」
猟奇的な目でエルヴィンを睨む
その目を見たとき、ノアは少しの高揚を感じた
こいつらが調査兵団に入ったら、とてつもない武器になる
その思いとは他に、違う意味で