第12章 12
ノアとハンジが調査兵団に入団して幾らか時は過ぎ
大分生活にも慣れてきた
明日は壁外調査にでる日
いつものように二人一緒にいるノアとカイルのもとへと寄るといつもと違う雰囲気が流れていた
ノアは涙を流していて、カイルはあたふたと困っている
「どうしたの?」
そう声をかけると俯いていたノアが顔を上げ、涙を流すもとても幸せそうな表情で
「ハンジ、これ見て」
そう言って差し出してきたのはひまわりの花束
そして、左手の薬指にはまる指輪
「……え」
驚きに染まるハンジがカイルの顔を見ると、気恥ずかしさからか照れて顔を背けられた
「……っ、おめでとう!」
二人がどうせ結婚することなどわかりきってはいたけど、いざそういうことになるとやはり嬉しい
良かったねとノアを抱きしめた
そして、ノアの指で光るそれを見たのはこれが最初で最後だった