第9章 9
「……ミケ」
「…なんだ」
部屋の外で様子を伺っていたノアの瞳がミケを捕らえる
青みがかった灰色のそれは、初めて見たときから魅了される
いつ見ても綺麗な色だ
「……」
言おうかどうか迷っているといった様子だ
それもそうだろう
ついさっき告白したと思えば今度は他の男と2人きりにさせようとしているのだから
「…ノア、後悔しない選択をするんだな」
「だが、それはミケにだって…」
「俺はこれが後悔しない選択だ」
もし、ノアと恋人関係になったとしてもノアが幸せでなければ意味がない
ノアが幸せな生活をする
それが俺の願い
「……そうか
ありがとう 」
にこりと屈託のない笑顔
やはり、お前は笑顔が1番だ
ミケはリヴァイの後を追うノアの背中を見送った