第9章 9
急いで男子棟に向かうミケとノア
その一角の部屋からは怒声が飛び交っている
野次馬たちが廊下に出て、そちらを凝視したりしているがそんなのお構いなしに2人は走る
なにが起こっているのか詳しいことはわからないが、リヴァイが関わっているということだ
「おい!何をしている!」
ミケが少し開いていたドアを押し開ける
その瞬間シンと静まり返った空間にノアも部屋を覗く
窓が全開にされ、そこから入ってくる光に目が痛い
「……何をしてるんだ」
明かりに目が慣れ、部屋の中が見えると、この部屋の住民であろう兵士4、5人とその真ん中にリヴァイが立っているのがわかる
それで、問題のリヴァイだが
「何って見ればわかるだろ」
そっちこそ何してんだ
とでも言いたげな瞳のリヴァイ
その格好はというと
「三角巾にハタキって…
ふふっ、っ、似合わなすぎだろ!」
大掃除でもしているかのようだった
あはは!と珍しく声を上げて笑うノアにリヴァイは怪訝な表情で睨んでいる