第5章 初めての合宿
俺の口調が変わったのに気がついた遥っちは
「涼太も二重人格者?」
と呟いた。彼女は無自覚に言ったのだろうか。全く気づいてない。頭の中がだだ漏れしているのがまた可愛いんだけどね。
「俺は二重人格じゃないッス。ただ…本気になれば口調が変わるだけ。声に出てるッス。」
俺は悪戯っぽく笑って見せた。
「いつもよりかっこいいからムカつく…」
遥っちがボソッと呟いたことを俺は聞き逃さなかった。
「いつもよりって…まあ、本気の俺を見せたのは遥っちが初めてッスよ。」
遥っちにこんな風に思われてるだなんて俺は幸せ者だ。
俺が幸せ気分に浸っていると、
「涼太、私重くない?ずっとはしんどいでしょ?」
心配そうに聞いてくる。
「重くない。むしろ、食べてるんスか?ちゃんと…」
遥っち、ホントに何キロだろう。平均体重あるんすかね…
「食べてる!…ってあれ?雷やんだ?」
自信満々に答えた後、彼女の恐怖の雷はいつの間にか鳴らなくなっていた。
「じゃあ、俺は帰るッス。また、何かあったら電話くださいッス!」
俺は今、凄く上機嫌である。遥っちの可愛い弱点を誰よりも早く見つけてしまったから。