第1章 ジョーダンに会いに
「えっ、花ちゃんバスケ部?」
「そーなんですよー。こう見えて(笑)」
「マジかぁ~」
花ちゃんは時々担当になるヘアメイクさん。俺、その話してから妙に仲良くなってさ。意気投合。そりゃね?元バスケ部同士、通じるものがあるんですよ。
しかもマイケルジョーダンめっちゃ好きで、家にグッズいっぱいあるって言うから、見せて!って。持ってくるって言ってくれたけど、相当なお宝もあるんだよ?そんな…なくしたりしたら俺、責任持てないじゃん。
「あ、じゃあ今度、写真撮ってきますね!」
「あ、うん…」
写真。
ま、写真でもいっか。とにかく見たいし。うん。じゃメアド…って思ったんだけど。画像送って貰おうと。ケータイ取り出しちゃったんだけど…
「松本さん、今の長さイイですよねー」
「そぉ?俺ホントはもーちょい切りたいんだよね。この辺とか」
「今やってみたいヘアスタイルってあるんですか?」
「…」
そのままマツジュンの髪のセットしはじめちゃって。
ま、そうだよね。また会うもん。仕事で。その時でいっか。いいのか。そうだよね。
なんとなく拍子抜けして。誤魔化すように、ケータイ弄って。
で
翌週
「えっ、これ全部?」
照れ笑いの花ちゃん。ちゃんと覚えててくれて、写真撮ってきてくれた。けっこーあるよ、マジで。ユニフォームはもちろん…これ何だ?集合写真だからイマイチわかんないんだよね、細かい所が。…あ、ダメだ。ズームしてもわかんない。
一応花ちゃんは解説してくれたんだけどさ。うん。
やっぱ実物見たいじゃん!?ジョーダンファンとしてはっ!!
な
の
で
花ちゃんち、やって来ちゃいました☆ジョーダンに会いに!ジョーダンじゃなく(笑)。
一緒にいたからマツジュンも誘ってみたけど、違うマイケルなら行くんだけどねって。まあ、そうだろうね。その日予定あるしってアッサリ振られまして。ええ。さすが忙しい男ですよ。