第14章 小さくなった魔王様
【隼】
『隼、今日1日この部屋から出るなよ』
海に言われた僕は自室のソファーで寝転ぶ。
いつもと違い今は小さいからソファーに余裕があり、体がスッポリと入る。
「でも今の姿だったら働かなくて良いんだよね…ずっとこのままで」
「このまま子供の姿で過ごすんですか?」
自室のキッチンから紅茶を淹れて小春が僕の前に座る。
「ん~」
ソファーから起き上がり考える。
「ん~」
「隼くん…さり気なくもたれないで下さい」
子供の姿は頭が重く気づけば小春の胸に顔を埋めていた。
「暫くこの姿で過ごすのもいいかも知れないね…」
普段出来ない事が許されるのは子供の特権だね。
「でも、部屋でゆっくりするのも久しぶりだね…」
再びソファーに寝転び天井を向く。
まだ昼下がりなのに、睡魔が僕を襲う。
「毎日こうだと幸せなのにね…」
「そうだね…」
僕の額に小春の手が触れる。
「隼くん…………」
小春が何か言っていたけど聞き取れず眠りに付いた。