第20章 魔王様とライブ
「はぁ…疲れた」
「お疲れ様…」
ソファーに座る私の太腿に頭を乗せ寝転ぶ隼くん。
平常運転の隼くん。
さっきまでキラキラと輝いていたのが嘘みたい。
でも、これが彼なのかもしれない。
「暫くは働きたくないかな…」
「働きたくないのはいつもの事でしょう?」
「ライブ頑張ったから…旅行でも行こうかな?」
「どこに?」
「世界一周とか」
「そんな休みなんて無いですよ…大学だってあるんですからね」
「じゃあ、卒業してから行こうかな…小春と一緒に」
「私と?」
「小春と行きたいな…色んな国、色んな場所」
「……考えておきます」
世界一周は規模が大きいけれど、行ってみたいな…色んな国に。
「小春、約束だよ?」
ちゅっ……
また1つの夢。
色んな夢を持って明日、また明日へと続いていく。