第9章 暴徒
Side of 槙島
……例のヘルメット集団がいたる所で暴れ、事件を起こしてくれているおかげで、公安局はそちらで手一杯のようだ。
彼女も……。
悠も、今は街を奔走しているのだろう。
「…さて、いつ仕掛けに気づくのかな……?」
僕は、嬉しくて笑った。
楽しくて仕方がない…。そう、これはゲームだ。
狩るか、狩られるか……。
あのヘルメット……。
からくりは簡単だ。
ヘルメットを被った人物の…1番近くに居る人間のサイコパスをコピーするようになっている。
周りに、犯罪係数の低い人間はいくらでもいる。
ヘルメットを被った人間は…やりたい放題だ……。
「……そろそろだね…。」
腕時計の文字盤を見て、時間だということに気がついた。
そこへ、ガラの悪そうな男共、5名が現れた。
……取引…ね。
面白ければそれでいいから、こうやってばらまいているのだけれど……。
お金はいくらあっても困らない。
こうやってお金を稼いでいるわけだ。
相手のリーダー格のような男を見つめてから、僕は小さく溜息を吐いた……。