第9章 暴徒
何とかして縢くんの誤解を解き、やっと1係に帰ってこれた時……。
私は既に疲れきっていた……。
『…はぁ〜……。』
「悪かったな、如月。」
「ごめんってば、悠ちゃ〜ん。」
からかわれていたらしい私に2人が謝罪を述べる。
『…もう、良いです。…どうせ私はいじられ役です。いじりの恰好の的なんです……っ!!』
「…そう拗ねるな、如月。
今度、甘味でも食べに連れていったやるから。」
『ほ、本当ですかっ!?
って、うわっ!?』
自分が言葉を言い終えるのと同時に、狡噛さんが私の頭をわしゃわしゃと撫で回す。
と、その時だ…
「…3人とも、席につけ。
……如月監視官は映像を出してくれ。」
宜野座さんがやって来て、指示を出す。
狡噛さんと縢くんは、まるで何事も無かったかのように無言で席についた。
『わ、わかりました……‼』
狡噛さんの所為で、少し乱れて…わさわさしてしまっている髪を手ぐしで適当に整えて返答する。
…実は、私はまだ。
動画を詳しく見てはいないのだ……。
私は端末にコードを繋げ、動画を再生した……。