第4章 裁けぬ人
『また、地下街ですか……。』
私は恐怖を感じながらも歩を進め、引き腰になっていた。
「また。地下街だな。」
「…ねぇ、悠ちゃん。大丈夫?」
そう質問してきた縢君に
『大丈夫。ありがとね。』
そうやって微笑んで見せる。
そして、私は二人に指示を出した。
今回は少し厄介だ…。
一連の事件の容疑者が逃げ込んだ区画は、増改築が繰り返されかなり入り組んでいる為、容疑者や被害者を見つけるのは難しい…。
「まぁ……逃げたって事は…」
狡噛さんがボソッと言うのに続いて縢君も
「何か疚しい事でもあるんでしょ。」
と言った。
『……気を引き締めなくちゃ。』
私は、別行動を取る二人に迷惑をかけないように気合いを入れた。
「まぁ、そういうことも大事だが、気負いすぎるなよ。」
「じゃーね。悠ちゃん。あ、コウちゃんもね。」
「何だ、その取ってつけたような言い方は。」
「特に意味は……って怒ってる?コウちゃん怒ってる!?💦」
『まぁまぁ……。』
「監視官がそういうなら、仕方ないな。まぁ、そこまで怒っているわけじゃないが……。」
「え、あ。そうなの?」
そんな他愛のない会話を済ませて、仕事に戻った…。
そして、しばらくして……