第4章 裁けぬ人
『あ……』
探している途中で六合塚さんにばったり会った。
彼女は何を考えているのか、よくわからない。
「……如月監視官、どうしました?」
『えっと……狡噛さんを探しているのですが…知りませんか?』
「…どうせ、またトレーニングルームでしょう。」
『…ですかね。』
「あの人はトレーニング馬鹿ですからね。」
ふっと笑う六合塚さん。
あ…こんな笑い方もするんだ…。
そう思って見つめていると…
「…どうか、しましたか?」
『へっ!?💦』
急に話しかけられ、変な声を上げてしまった。
「……こいつ、笑うんだ。…もしかして、そう思いました…?」
『……ある意味、当たってますね…。六合塚さんってこんなにも優しく笑うんだ…。そう思っていました。』
悪いことをした憶えはないけれど、つい、俯いて言ってしまう。
そして私は苦笑した。
すると、六合塚さんはあっさり一言。
「…今、否定してたら、貴女の事嫌ってました。」
『…え……?』
六合塚さんの言葉に、私は驚いて言葉に詰まってしまった。
「…貴女となら、上手くやっていけそうです。ありがとう…ございました。」
『い、いえ。』
私はわけのわからないまま、一礼して颯爽と去って行く彼女に、同じように一礼した。