第3章 監視官の重み…
「うん。やっぱり悠ちゃんには笑顔が似合うよ。」
そう言って、再びにっ、と笑う縢君。
その笑顔は心なしか、いつもより明るい気がした……。
『ふふっ。お世辞でも嬉しいよ。』
「案外、お世辞じゃないんだけどな…。」
『え…?』
縢君の言葉がよく聞き取れず聞き返すと、
「なーんでもない☆」
と、ごまかされてしまった。
それ以上は詮索する気もないので、
『ジュースご馳走様。ありがとね。』
と、お礼を言った。
「いえいえ。」
いつもよりはにかんで笑う縢君。
その時の彼は、いつもより……ちょっぴり、可愛らしく見えた。