第11章 逃走
……いつの間にか、こんなにも悠に依存していたらしい。
彼女がいない世界なんて……そんな現実だなんて耐えられない。
…実に耐え難い。
……僕は、そんなことを考える。
もう、そんな…戻れないところにまで来ていたのか…。
どうしようもなく、君が好きだ。悠……。
今すぐに、君を抱きしめたい。
君を、この腕に捕えて離したくない。
君を…僕のこの腕に閉じ込めてしまいたい。
少しだけでいい…。ほんの一瞬でも構わない……。
今すぐに、君の…悠の温もりを感じたかった……。
ねぇ、悠……。
…君も、僕を愛してはくれないの……?
僕は、ぐっと拳を握った。
愛しい君を想って……。
ーー好きだよ。
この世界の誰よりも……。ーー